株式会社トーセキ

かぶしきがいしゃ とーせき

対象地域
  • 茨城県
対応形態
  • 公営墓地
  • 寺院

トーセキは確かな施工技術と地域のみなさまとの“つながり”を大切にします。

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トーセキ様の取材にお伺いいたしました!

みなさん、こんにちは!日本墓石店100選の中村裕貴です。

先日8/22に、茨城県桜川市にある株式会社トーセキさんに取材をさせていただきました。
この記事では主に墓石の施工部分に焦点をあててお伝えしていきます。



トーセキ代表の大塚一男様です。

トーセキさんは国内有数の採石地、茨城県桜川の旧真壁郡に位置しています。
“石を投げれば墓石店にあたる”と表現しても過言ではないくらい、周囲には多くの石屋さんが軒を連ねています。
当日は最寄駅である水戸線の新治駅から歩いたのですが、田園風景が広がり、とても気持ちがスッキリする感じがしました。



トーセキさんの敷地のちょうど隣には真像寺さんという浄土真宗のお寺さんがあります。建墓の実績も多いとのことで、最初に伺わさせていただきました。



桜川に来たのであれば、まずは真壁石を見たいということで、真壁小目でできた石塔を見させていただくことに。
ちなみに真壁石は、下の写真の奥に見える加波山から採石されます。遠目からも山肌に採石場を眺めることができました。



これが真壁小目石でできたお墓です。



真壁石には小目と中目があり、石目の粗さが異なります。またまた小目石は吸水率が中目に比べて低く(水を吸いにくい)、時間が経っても変色しにくいのが特徴です。



トーセキさんの施工の特徴としては、この花蓮華にあります。形だけ作って簡単な模様を入れることはせず、ボリューム感のでるようにしっかりと彫るのがトーセキさんの創る花蓮華の特徴です。

国産の石をいかに多く買っていただくかというのは多くの石屋さんが議論する、いわば業界としての課題という言い方もできると思いますが、トーセキさんにご相談されるお客様は「真壁石で建てたい」という方が多いそうです。
「生まれも育ちも真壁郡でその土地に思い入れがある場合、限りない予算だけどどうしても建てたいという方はいらっしゃいます。そういうときには予算で突っぱねることはせず、その範囲内でできることを一緒に考えます」と大塚さん。

当然お客様みなさまが真壁を指定されるわけではありませんので、中には本小松石や福島のふぶき石などで施工することもあるそうです。



福島のふぶき石で建てたお墓。「基本色となるグレーに、雪を連想させる白い模様がなんとも言えずにかっこいい」と仰る大塚さんに、思わず私もうなずいてしまいました。

次に場所を変えて、下館にある曹洞宗のお寺さんに伺いました。
ここには大塚さん自身、「お客様はもちろん、職人としての自分のプライドからみても非常に納得のいった1本がある」と仰っていたお墓がありました。見てみるとそれはなんと、高級石としても全国的に有名な“本小松石”で建てられたものでした。



「この本小松石は他の石と比べ建てるのが非常に難しかった石だと思っています」と大塚さん。その理由は“石の流れ”にあるそうです。

よく見ると、筋のような黒い線が右上から左下へ流れているのが分かります。この“流れ”が、石塔や墓誌、台座まで一致している姿が、本小松石で建てる醍醐味の1つでもあるのです。しかし、写真の墓石は通常より少し大きめのものだったため、採石の段階での色合わせや流れ合わせには難易度を伴います。
これだけしっかりした大きさの本小松石で、色や流れも揃っている石塔は、なかなかつくることができないそうです。



また、この本小松石の施工においては、他よりも優れていることが1点あります。
下の写真と比べて見て、どこが違いかお分かりになりますでしょうか?




蓮華の部分の彫りが、前者はほぼ直角に下りているのですが、後者はなだらかな曲線で1本に繋がっています。

当然、前者の方が工程には時間と細やかさが必要になります。決して後者が良くないという訳ではなく、一般的な蓮華のかたどり方なのですが、より彫る工程に手間をかけて美しいかたどりを実現したのが、前者の本小松石ということができるのです。近年では国内で採った石を中国で加工して日本で建墓するという工程が一般的になっていますが、中国の加工ではほぼこのような彫り方はできないそうです。製造加工技術を自社で持ち合わせているトーセキさんだからことできる細かい技術ですが、職人としてのこだわりが特に反映されている施工技術です。
「石の流れのことや花蓮華の加工のことも、お客さんにとっては小さなことでも、私たち職人にとっては誇り高いことなんですよね(笑)」と仰っていた大塚さんの表情がとても印象的でした。

ご紹介した花蓮華だけでなく、トーセキさんではお客様のご要望に併せて、自社で考えた工夫も取り入れられています。



こちらは足場の滑り止めです。石は冬になると滑りやすくなってしまうので、滑り止めを設置されたとのことです。特徴は凸状の滑り止めとなっている点です。これを凹ませてしまうと、水が溜まって石の変色を進めてしまったり、足場が凍結する可能性もでてきます。



カロートには空気口が付けられています。風通しを良くして、室内を清潔に保ちます。



最後に“日本墓石店100選 認定証”を一緒に持って、ぱしゃり。
様々なお話しをさせていただき、大変勉強させていただきました。


お客様と近い立場である私たちが、今回教えていただいた石の魅力といった点もお伝えしていきたいと思いました。

施工技術も確かで、謙虚で魅力的なお人柄をお持ちの大塚さん。
茨城の地域のお客様はもちろん、例えば「真壁石」や他の国産石でお墓で建てたい方は、ぜひトーセキさんにお願いしていただきたいと思います。

2013.08.22
中村裕貴

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