お墓を建てるには当然、墓石だけでなく、建てる場所も確保しなければなりません。
ですが、仮に個人が島や山を所有していても、そこにお墓を建てることは許されていません。
そのため、寺院や民営、市区町村が管理している墓地区画を購入し、そこにお墓を建てる必要があります。
厳密に言えば、遺体、遺骨を埋葬、埋蔵してはならないということで、記念碑であれば私有地に建てることも可能です。
区画を確保する際、少々混乱しやすい点といえば、区画を「購入」するという表現ではないでしょうか。
墓地の区画を買うといえば、「永代使用権」を買うという意味になります。
永代使用権とは区画を使用するにあたり、各区画に割り振られた使用権利のことです。
「永代」というのは、管理費を支払い続ける限り、永代に渡って区画を使用できるという意味です。
法で定められているものではありませんので、権利内容は墓地によって違います。
ですので、購入した区画を販売したり、お墓とは全く関係のないものを設置したりすることはできません。
この永代使用権を受け取る際、対価として支払うものが「永代使用料」です。
永代使用料の具体的な費用についてですが、これは土地価格と似ており、使用料は地域により様々です。
例えば東京都内の青山霊園であれば、1㎡あたり300万円近い使用料がかかります。
他方で、わずか20万円足らずの使用料で同等面積の区画を利用できる墓地もあります。
全体として見れば、やはり都市部の永代使用料が高価な傾向を示し、
少々交通の便に難がある墓地は、比較的手ごろな使用料でまとまっているようです。
墓地の運営主体別に見た場合では、公営墓地の使用料が安く、民営は少々割高になります。
寺院墓地の使用料も立地の影響が強いものの、各寺院によってだいぶ異なります。
出来るだけ永代使用料が安いところを選びたい、という気持ちは誰しもが持っています。
しかし安さだけで遠方の墓地を選び、お墓参りに丸1日費やすことになるのも不便なものです。
ご先祖の供養という意味では、墓参頻度が高ければ高いに越したことはありません。
つい目が向きがちな永代使用料ですが、そこだけを見て墓地を選ぶのはあまり好ましくないかと思います。
立地や施設設備、墓地の管理体制などなど。お墓選びは総合的な判断によって決めましょう。